日本の伝統工芸の一つである和紙の染色方法を紹介します。
今回は和紙の代表的な原料である楮(こうぞ)を、青色に染めていく工程を紹介していきます。
以前にも和紙の染色工程(赤)を紹介しましたが、今回は青い楮の原料が必要になったので、改めて染色の工程を紹介しながら作っていこうと思います。
染色内容
作る原料:青い楮
原料:楮10g
染色方法:直接染料
染料の色:ブルー、バイオレット
染色に必要な材料、道具について
原料:楮 10g
直接染料:
ブルー0.3g〜0.5g、バイオレット0.1〜0.2g
無水芒硝:2g
色止め剤:0.4cc
ステンレス鍋
ミキサー
計量カップ、計量スプーン、計量器、温度計
濾し網:目開き300μ(ミクロン)以下のもの
【試験紙に必要なもの】
漉き編み、アイロン、布
作業工程
原料の準備
1.
楮を10g計ります。
2.
ミキサーで楮を撹拌していきます。
時間:1〜2分程度
3.
原料を漉します。
濾し網は、メッシュの目開きが300μ(ミクロン)以下のものを使用してください。
楮は大丈夫ですが、針葉樹パルプや広葉樹パルプなどを濾す場合、原料が抜けてしまいます。
4.
鍋に原料と水を入れ、染色の準備をしていきます。
余談ですが、普段私が使用している撹拌機は、業務用の撹拌機を使っています。
今回、必要な道具にミキサーと書いておきながら、自分は業務用の使ってしまっているのですが、基本的には家庭用のミキサーで大丈夫です。
染色
1.
芒硝を、楮の乾燥重量に対して20パーセント(今回は楮10gなので、芒硝は2g)使用します。
芒硝は、染色促進剤として、繊維に染料が染み込みやすくなります。
2.
芒硝を入れ、よく混ぜます。
混ぜたら、鍋の温度をゆっくり上げていきます。
温度は60度くらい。
3.
染料を40度くらいのお湯で溶きます。
使用する染料:
ブルー0.3g〜0.5g、バイオレット0.1〜0.2g
4.
染料を入れます。
今回は、色を確認しながら染色したいので、先にブルーの染料を入れてから、調整しながらバイオレットの染料を入れていきます。
5.
細かい話ですが、染色は先に入れた色が強く残るリます。なので、順番を変えると微妙に仕上がりの色が変わります。
6.
試験紙を取ります。
もう少し濃くしたいので、染料を追加していきます。
7.
染料を追加してから10分後、再び試験紙を取ります。
色が良ければ、60度の温度で15分くらい鍋を維持します。
8.
15分経ったら、熱を止めて温度が下がるまで待ちます。
温度が下がったら、原料を濾して水で軽く洗い流します。
試験紙の取り方
試験紙の取り方については、こちらの記事で紹介しているので良ければ参考にしてみて下さい。
色止め
1.
色止め剤を入れます。
量は、原料の重量に対して4%(楮10gの場合0.4cc)
2.
鍋の温度を60度まで上げ、15分程熱処理をします。
3.
熱を止め、温度が下がったら濾します。
4.
水洗いをしたら、完成です。