斑紋(はんもん):まだらの模様
自分で作れるようになって色々試していた時に、これは面白いなーと思った現象の一つが、原料同士のムラです。
紙漉きの工程は水とネリを使って原料を流すのですが、その際、異なる原料を同時に流すと原料同士が斑(まだら)に混ざり、紙にムラが生まれます。
水の流れ方や偶然性など、紙漉きの工程が紙に現れる様が面白くて、よく自分の制作で使っています。
今回は、斑紋紙の作り方を紹介します。
※斑紋紙という紙の名前が正式にある訳ではなく、今回記事を書くにあたって私が勝手に作った造語です。
ですのでこの類の紙を探している方は、斑紋紙という名前をあてにしないようお願いします。
作る紙の内容
紙:白黒の斑紋紙
原料:針葉樹パルプ(白、黒)
サイズ:300mm×300mm
枚数:9枚
紙の重量:一枚あたり9〜12g
準備するもの
原料
原料を混ぜ合わせてムラを作りたいので、今回は針葉樹パルプの白と黒の2種類の原料を用意します。
・白い原料は購入時のままの色。
・黒い原料は、直接染料で染色したものを使用します。
・原料の量は、一枚あたり9〜12gくらいを想定し、100g(白50g、黒50g)用意します。
原料の染色方法については、こちらを参考にしてみてください。
ボトル
ボトルは、原料を流す際に使用します。
使用する原料の数だけ用意しましょう。
※私が使っているのは、ホームセンターで売っているものを使用しています。
バケツ、ひしゃく
バケツ:原料を混ぜる容器として使用します。
ひしゃく:原料を混ぜる際に使用します。
作業前準備
原料の準備
1.
原料をバケツに入れます。
量はざっくりと手で一掴みくらい。
2.
水をいれ、撹拌していきます。
3.
ネリを入れ、よく混ぜたら完成です。
4.
同様に、白い原料も仕込みます。
5.
ボトルに原料を入れたら、原料の準備は一旦完成です。
道具の準備
使用している道具についての詳細は今後詳しく説明しますので、今回は省略します。
1.
簾(すだれ)の上に、紗(しゃ)を張った漉き枠を置きます。
2.
その上に、300mm×300mmの木枠をセットします。
紙漉き
1.
原料を流していきます。
・左右で異なるボトルを持ち、混ざり具合や仕上がりを想像しながら流していきます。
2.
満足がいく紙になるまで、この作業を繰り返していきます。
3.
ひたすら繰り返します。
最終的に8回ほどこの作業を繰り返して紙を漉いています。
4.
こんな感じで、9枚紙を作っていきます。
水の流れ方、流し方、量によって色々な模様が生まれるので、ある程度枚数を作ります。
乾燥
乾燥させて完成になります。
紙漉きの段階では、原料が濡れているので色が濃く見えます。
ですが実際に乾いて見てみると、
「この場所こんなに白かったのか〜」とか「ここだけ濃すぎるな〜」など、想像と違う事が多いです。
紙漉きをしている段階で、仕上がりを想像するのはとても難しいですが、
色々と発見が多く、満足いく紙が出来た時は楽しくもあります。
良ければ参考にして見てください。